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2023.05.26
妊娠性歯肉炎とは、妊娠した女性がホルモンバランスを崩すことでおこる歯肉炎のことです。
今回は妊婦さんに気をつけてほしい歯の病気、【妊娠性歯肉炎】についてご紹介していきます。
症状としては通常の歯肉炎と同じで、歯肉の腫れや痛み、ブラッシング時の出血などが主な症状です。
そのほかにも、
① 歯茎の色が赤くなっている
② 歯茎がぶよぶよとしていて腫れている
③ 歯と歯の間の歯茎が、盛り上がってふくらんでいる
④ 歯磨きの時に出血したりうがいをした時血が混じっている
4つの項目のうち一つでも当てはまる場合は、歯肉炎になっている可能性が高いです。
☆私って歯周病?気になる方は以下のブログでもっと詳しくセルフチェックしましょう
歯肉炎は悪化すると、歯周病へと進行してしまいます。
歯周病になると、歯ぐきの炎症がどんどん進んで、歯周ポケットも段々と深くなっていき、
最終的には歯を支えているあごの骨(歯槽骨)まで溶かすまで進行していきます。
歯本体が下に長く見えるくらい歯茎が下がってしまうとご自身で見てわかりますが、
歯周病は症状を出さずに静かに悪化していることも多いです。
さらに、歯の支えであるあごの骨が溶けてしまうと、
歯にぐらつきが出て最終的には抜けてしまうこともあります。
歯周病が進行すると、腫れた歯ぐきの毛細血管を通じて歯周病菌が全身に流れていきます。
そして脳梗塞や心筋梗塞などの病を引き起こしやすくなったり、
糖尿病が悪化するなど、歯周病は全身へ影響を与える可能性があることが分かってきました。
妊娠性歯肉炎自体は、歯ぐきの腫れや出血を起こしやすくなりますが、
歯槽骨が溶けるほどまで悪化することはないでしょう。
しかし、歯肉炎をそのまま放置すると早かれ遅かれ悪化して歯周病へと進行してしまうので、
定期検診で歯の状態を診てもらい、早期発見、治療を行うことが大切になってきます。
ここまで歯周病の恐ろしさ、その症状について解説してきました。
それでは一体妊婦さんが歯周病に気をつけなければいけないのはなぜでしょうか。
妊娠して女性ホルモンの増加などにより、妊娠中に歯周病が悪化すると体内ではこんなことが起こります。
歯周病菌の毒素や歯ぐきの炎症によって
「サイトカイン(細胞から分泌されるタンパク質)」や
「プロスタグランジン(痛みや発熱を起こす原因物質として知られる生理活性物質)」と呼ばれる、
炎症を起こす物質が多く産出され、
歯茎の毛細血管から血液の流れに乗って体内を移動→
そして子宮に到達してしまうことがあります。
すると、まだ生まれる状態でない赤ちゃんがいる子宮を
収縮させて出産の合図を出してしまい、結果早産につながる可能性があるといわれています。
また、進行した歯周病はお腹の赤ちゃんの成長にも影響を及ぼし、
低体重児になりやすいともいわれています。
今まで早産の主な原因はタバコだといわれてきましたが、ここ数年では
実は歯周病の方が早産のリスクが高まる、といわれているほど歯周病の怖さが
見えてくるようになりました。
妊娠性歯肉炎は、基本的にはプラークや歯石がほとんど無い清潔な口の中では起こることは少なく、
なったとしても軽度で済むでしょう。
普段から定期的に歯医者さんで検診を受けて歯の状態が健康である人は、
妊娠により急速に重症化することはないので、あまり心配する必要はありません。
しかし一方で妊娠前から歯茎が腫れていたり出血があるなど歯肉炎の症状がある人が妊娠すると、
女性ホルモンの変化が影響し症状が進行しやすくなります。
まず妊娠中のお口の中は女性ホルモンの変化や生活の変化で歯の清掃が行き届かないなどが
原因で通常より歯肉炎などを発症しやすい状態になってしまいます。
妊娠性歯肉炎の原因は、妊娠中にエストロゲンやエストラジオールなどの
女性ホルモンの分泌がなされることにより、
歯周ポケット内に常在しているPrevotella intermediaという細菌の成長が促されることです。
女性ホルモンの分泌が活性化する妊娠時には、
これらのホルモンが血液中から歯と歯肉の間の歯周ポケット内に移行します。
その結果、歯周ポケット内における急激なホルモン濃度の上昇が起こります。
そしてPrevotella intermediaが活発に成長することで、妊娠性歯肉炎が発症することとなります。
また妊娠中は歯周ポケット内のプロゲステロンという女性ホルモンの増加により、
ほんの僅かなプラーク(歯垢)や歯石の沈着にも通常より歯周組織が過敏に反応してしまいます。
これにより歯肉が赤くなって腫れたり、ブラッシング時に出血が見られるようになります。
放置してしまうと出産後に本格的な歯周病に移行する場合もあるので注意が必要となります。
また、先にも述べたように妊婦さんが進行した歯周病になっている場合、
低体重児や早産のリスクは高くなり、アルコールやタバコ、高齢出産よりはるかに高いリスクを示します。
そのため、歯医者へ定期検診に通い、まずは歯周病になる前に確実な予防を行うことが大切になります。
妊娠中でも安定期を中心にある程度の歯科治療は可能です。
歯科検診や早めの治療で、悪化しない様に気をつける必要があります。
気になる方は1度歯科医院で診てもらうことをお勧めします。
歯医者さんへは母子手帳を持参していただき、歯科医師やスタッフに妊娠中であることを
必ずお伝えください。
妊娠中の歯やお口の中の悩みありましたら、当院へご相談くださいませ。
記事作成者:歯科医師 院長 餅原芳文
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